実大
じつだい
名詞
標準
文例 · 用例
「体はもうすっかり良いのかい、」「ええ、」「お前は駄々ッ子で、鼻ッ端が強くって、威勢よく暴れるけれど、その実大の弱虫なんだから心配だよ、この頃は内で姐さんと喧嘩はしないか。
— 泉鏡花 『湯島詣』 青空文庫
代助は、自分が金に不自由しない様でゐて、其実大いに不自由してゐる男だと気が付いた。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫
代助は、自分が金に不自由しない様でいて、その実大いに不自由している男だと気が付いた。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫
だが邪教水狐族の、秘密の道場へつづいていた、地下の長い横穴については、事実大槻玄卿も、知っていなかったということである。
— 国枝史郎 『八ヶ嶽の魔神』 青空文庫
麻吉のこの経験も、事実大海原の一個の波ほどにも格別というほどのものではなくして、ごく普通のものだった。
— A WISH FULFILLED 『男子の本懐』 青空文庫
其山の大形ハ、霧島山より下り、きり島の社にまいりしが是は実大きなる杉の木があり、宮もものふり極とふとかりし。
— 慶応二年十二月四日 坂本乙女あて 『手紙』 青空文庫
その眼は、よし事実大きくはなかったにしても、まだ黒い眉毛ともじゃもじゃの白髪の下で、肉が落ちて痩せこけた顔のために大きく見えたであろう。
— 上巻 『二都物語』 青空文庫
――処で大衆という概念も亦、社会常識としては全くこの社会学的な見地に帰着するもので、そして恰もこの社会学的常識ともいうべき大衆の観念が、事実大衆自身の観念になり彼等大衆の自己意識になっているのだ。
— ――現代日本に於ける日本主義・ファシズム・自由主義・思想の批判 『日本イデオロギー論』 青空文庫