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将棊

しょうご
名詞
1
標準
文例 · 用例
地を坤軸から掘覆して、将棊倒に凭せかけたような、あらゆる峰を麓に抱いて、折からの蒼空に、雪なす袖を飜して、軽くその薄紅の合歓の花に乗っていた。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
見たが可い、こう、己が腕がちょいと触ると、学校や、道学者が、新粉細工で拵えた、貞女も賢母も良妻も、ばたばたと将棊倒しだ。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
床店の筋向うが、やはりその荒物店であります処、戸外へは水を打って、軒の提灯にはまだ火を点さぬ、溝石から往来へ縁台を跨がせて、差向いに将棊を行っています。
泉鏡花 春昼 青空文庫
服装は、将棊の駒を大形に散らしたる紺縮みの浴衣に、唐繻子と繻珍の昼夜帯をばゆるく引っ掛けに結びて、空色|縮緬の蹴出しを微露し、素足に吾妻下駄、絹張りの日傘に更紗の小包みを持ち添えたり。
泉鏡花 義血侠血 青空文庫
…… 矢藤老人――ああ、年を取った伊作翁は、小浜屋が流転の前後――もともと世功を積んだ苦労人で、万事じょさいのない処で、将棊は素人の二段の腕を持ち、碁は実際初段うてた。
泉鏡花 開扉一妖帖 青空文庫
ト此の鑿を持ち、鏨を持つべき腕は、一度掌を返して、多勢を圧して将棊倒しにもする、大なる権威の備はるが如くに思つて、会心自得の意を、高声に漏らして、呵々と笑つた。
泉鏡太郎 神鑿 青空文庫
生活力の弱さうな好人物で、夜は近所の将棊所へ将棊をさしに行くのを唯一の楽しみにしてゐる。
岡本かの子 蔦の門 青空文庫
店のあきないを仕舞って緋の毛氈を敷き詰め、そこに町の年寄連が集って羽織袴で冗談を言いながら将棊をさしている。
岡本かの子 巴里祭 青空文庫