地蔵尊
じぞうそん
名詞
標準
Jizō (guardian deity of children)
文例 · 用例
関の地蔵尊に詣でて、私たちは峠にかかった。
— 岡本かの子 『東海道五十三次』 青空文庫
その先生様、地蔵尊の一体建立して欲しいと言わされたとよ。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
そう云えば何となく、顔容も柔和での、石の地蔵尊に似てござるお人じゃそうなげな。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
しかも、その夜は、ちょうど植木|店の執持薬師様と袖を連ねた、ここの縁結びの地蔵様、実は延命地蔵尊の縁日で、西河岸で見初て植木店で出来る、と云って、宵は花簪、蝶々|髷、やがて、島田、銀杏返、怪しからぬ円髷まじり、次第に髱の出た、襟脚の可いのが揃って、派手に美しく賑うのである。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
が、落こぼれたような影もまばらで、開いているのは、地蔵尊の門と、隣家の煙草屋の店ぐらいに過ぎなかった。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
却説、葛木法師の旅僧は遠くも行かず、どこで電車を下りて迂廻したか、多時すると西河岸へ、船から上ったごとく飄然として顕れて、延命地蔵尊の御堂に詣でて礼拝して、飲酒家の伯父さんに叱られたような形で、あの賓頭廬の前に立って、葉山繁山、繁きが中に、分けのぼる峰の、月と花。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
廃駅の陣屋跡に、石垣の草に埋もれたのや、形の殆んど崩れてしまった石の地蔵尊が、尾花の中にボンヤリ立っているのも、人里離れたこの山上にはことに趣が深かった。
— 井沢衣水 『本州横断 痛快徒歩旅行』 青空文庫
此処から中尊寺へ行く道は、参詣の順をよくするために、新たに開いた道だそうで、傾いた茅の屋根にも、路傍の地蔵尊にも、一々由緒のあるのを、車夫に聞きながら、金鶏山の頂、柳の館あとを左右に見つつ、俥は三代の豪奢の亡びたる、草の径を静に進む。
— 泉鏡花 『七宝の柱』 青空文庫