松竹
しょうちく
名詞
標準
文例 · 用例
これはね、私が大学へはいったとしの秋に、或るひとに連れられて松竹の蒲田撮影所へ遊びに行って、その時の記念写真なのです。
— 太宰治 『小さいアルバム』 青空文庫
その頃、松竹の撮影所は、蒲田にありました。
— 太宰治 『小さいアルバム』 青空文庫
しぼは普通で赤地に白で松竹梅などの柄が出てゐました。
— 岡本かの子 『縮緬のこころ』 青空文庫
格子の内側にはいま黒|繻子のカーテンが垂れて塞がれ、格子の前の土には縁起を祝って植えたらしい松竹梅の中の竹だけはどうも根附かないらしく、諦めた枯竿だけが他の二木に配されて駒寄せの中に黄ろく立っております。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
宝塚や松竹の少女歌劇は男の俳優は一人もいないが、思慮分別のある大の男が一生を託する仕事ではあるまい。
— 織田作之助 『神経』 青空文庫
それに筋向いの弥生座はピエルボイズ専門のレヴュ小屋で、小屋がハネると、レヴュガールがどやどやとはいって来るし、大阪劇場もつい鼻の先故、松竹歌劇の女優たちもファンと一緒にオムライスやトンカツを食べに来る。
— 織田作之助 『神経』 青空文庫
文楽は小屋が焼け人形衣裳が焼け、松竹会長の白井さんの邸宅や紋下の古靱太夫の邸宅にあった文献一切も失われてしまったので、もう文楽は亡びてしまうものと危まれていたが、白井さんや古靱太夫はじめ文楽関係者は罹炎に屈せず、直ちにこの国宝芸術の復活に乗りだしたのである。
— ――戦災余話 『起ち上る大阪』 青空文庫
しかし、三日経ってまた赤玉へ行くと、瞳は居らず、訊けば、今日松竹座アへ行くいうたはりましたと、みなまできかず、道頓堀を急ぎ足に抜けて、松竹座へはいり、探した。
— 織田作之助 『雪の夜』 青空文庫