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薬王

やくおう
名詞
1
標準
文例 · 用例
糸のような一条路、背後へ声を運ぶのに、力を要した所為もあり、薬王品を胸に抱き、杖を持った手に帽を脱ぐと、清き額を拭うのであった。
泉鏡花 薬草取 青空文庫
かくて胸なる紅の一輪を栞に、傍の芍薬の花、方一尺なるに経を据えて、合掌して、薬王品を夜もすがら。
泉鏡花 薬草取 青空文庫
寂心が三河国を経行したというのは、晩秋過参州薬王寺有感という短文が残っているので此を証するのである。
幸田露伴 連環記 青空文庫
薬王寺は碧海郡の古刹で、行基菩薩の建立するところである。
幸田露伴 連環記 青空文庫
薬王品などにも特にそれが書いてありますね。
東屋 源氏物語 青空文庫
第二十三番薬王寺拝登、仏殿庫裡もがっちりしている、円山らしい、その山上からの眺望がよろしい、相生の樟の下で休憩した、日和佐という港街はよさそうな場所である。
種田山頭火 四国遍路日記 青空文庫
彼はその日|無沙汰見舞かたがた市ヶ谷の薬王寺前にいる兄の宅へも寄って、島田の事を訊いて見ようかと考えていたが、時間の遅くなったのと、どうせ訊いたって仕方がないという気が次第に強くなったのとで、それなり駒込へ帰った。
夏目漱石 道草 青空文庫
「あの日はあまり好い御天気だったから、久しぶりで御兄さんの所へも廻って来ました」「そうか」 細君の里は小石川台町で、健三の兄の家は市ヶ谷薬王寺前だから、細君の訪問は大した迂回でもなかった。
夏目漱石 道草 青空文庫