露領
ろりょう
名詞
標準
文例 · 用例
港を出る時には一かたまりになっていた友船も、今は木の葉のように小さく互い互いからかけ隔たって、心細い弱々しそうな姿を、涯もなく露領に続く海原のここかしこに漂わせている。
— 有島武郎 『生まれいずる悩み』 青空文庫
露領時代のままの駅逓が或る林中に幽かに薄紫の炊煙を立てているのも見た。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
もっとも、露領時代からの住民もいます、丸太式の小舎に。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
露領時代の名残も見えた。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
米領「プリビロフ」露領「コンマンドルスキー」そうしてこの日本領の海豹島(露名、チュレニ島、ロッペン島)。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
「難局だ、難局だと云つてよこしても、あなたが露領までも旅行出來る餘裕があるなら、わたしの方へも送つて呉れるくらゐなものはありましよう。
— 放浪 『泡鳴五部作』 青空文庫
宗谷ナイボの露領時代の濫伐林の跡を見に行つた時、椴松、蝦夷松の枝からふり落ちるどす黒い――雌は赤黒い――ダニが、蕗や芭蕉の葉から義雄等に移り、汽船に歸つてから、それを取り盡すになか/\骨が折れた。
— 放浪 『泡鳴五部作』 青空文庫
」或筋から内命が下だつて、露領の沿海州まで、日本ではまだ本當にやつてゐない遠洋漁業の組織で密漁船を出す計畫を、自分が仲間に這入つてやりかけたこと。
— 斷橋 『泡鳴五部作』 青空文庫