玉櫛笥
たまくしげ
名詞
標準
文例 · 用例
ふたかたに言ひもてゆけば玉櫛笥わがみはなれぬかけごなりけり と老人の慄えた字でお書きになったのを、ちょうど源氏も玉鬘のほうにいて、いろいろな式のことの指図をしていた時であったから拝見した。
— 行幸 『源氏物語』 青空文庫
おかしいほど慄えている」 と言って、何度も源氏は読み返しながら、「よくもこんなに玉櫛笥にとらわれた歌が詠めたものだ。
— 行幸 『源氏物語』 青空文庫
其かと言うて、橘を玉櫛笥の一つ根ざしと見るはまだしも、此を彼の親根と考へては、辻褄が合ひ過ぎる。
— 異郷意識の起伏 『妣が国へ・常世へ』 青空文庫
冬の山そば大正十年冬、小田原近郊の散策より冬の山岨玉くしげ函根の山は短か日のことに短かく、み冬さり霜|下り来れば、午過ぎて日の目も知らず。
— 北原白秋 『観相の秋』 青空文庫
冬の山岨 玉くしげ函根の山は短か日のことに短かく、み冬さり霜|下り来れば、午過ぎて日の目も知らず。
— ――長歌体詩篇二十一―― 『観想の時』 青空文庫
彼の著書「玉くしげ」に、 凡て天下の大名たちの、朝廷を深く畏れ、厚く崇敬し奉り玉ふべき筋は、公儀の御定めの通りを、守り玉ふ御事勿論也。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
かく行くあひだにある人の詠める歌、「玉くしげ箱のうらなみたゝぬ日は海をかゞみとたれか見ざらむ」。
— 紀貫之 『土佐日記』 青空文庫
紀州侯に奉られた「玉くしげ別本」に、左の文が見えている。
— 穂積陳重 『法窓夜話』 青空文庫