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垣間見

かいまみ
名詞
1
標準
文例 · 用例
――やあ、緑青色の夥間に恥じよ、染殿の御后を垣間見た、天狗が通力を失って、羽の折れた鵄となって都大路にふたふたと羽搏ったごとく……慌しい遁げ方して、通用門から、どたりと廻る。
泉鏡花 白金之絵図 青空文庫
野の花は少けれど、よし蘆垣の垣間見を咎むるもののなきが嬉し。
泉鏡花 松翠深く蒼浪遙けき逗子より 青空文庫
そんなときでもなければ垣間見ることを許されなかった、聖なる時刻の有様であった。
梶井基次郎 冬の日 青空文庫
檜垣の主人が持ち帰ったのは主にフランス近代の巨匠のものだったが、本能を許し、官能を許し、享受を許し、肉情さえ許したもののあることは東洋の躾と道徳の間から僅にそれ等を垣間見させられていたものに取っては驚きの外無かった。
岡本かの子 食魔 青空文庫
愛吉は心なく垣間見た人に顔を見らるるよう、思いなしか、附添の婦人の胸にも物ありげに取られるので、うつむいては天窓を掻いた。
泉鏡花 三枚続 青空文庫
名をなつかしみ、尋ねし人、妾宅と覚しきに、世にも婀娜なる娘の、糸竹の浮きたるふしなく、情も恋も江戸紫や、色香いろはの手習して、小机に打凭れ、紅筆を含める状を、垣間見てこそ頷きけれ。
泉鏡花 式部小路 青空文庫
こゝに晝も暗き樹立の中に、ソと人の氣勢するを垣間見れば、石の鳥居に階子かけて、輪飾掛くる少き一人、落葉掻く翁二人あり。
泉鏡太郎 城の石垣 青空文庫
當國の領主日置の若殿|忍男の君が、何かの折に幾度か手古奈を垣間見て、常々愼ましき性に似ず身柄忘れての戀衣、千重に八千重に思ひつみ今は忍びかねての、思ひを近く仕ふる媼に打明けた。
伊藤左千夫 古代之少女 青空文庫