互い違い
たがいちがい
形容動詞名詞
標準
alternate
文例 · 用例
私の机上には、有り合せの玻璃瓶に、菜の花が投げ込んである、これは弟に捜させて、採って来たものである、天鵞絨のように、手障りの柔らかな青い葉が、互い違いになって、柱のような茎を取りまいて居る、此柱の頭から、莟みが花傘なりに簇がって、蛹虫の甲羅のように、小さく青く円くなっている。
— 小島烏水 『菜の花』 青空文庫
八 室 御中道歩きの特色は、山頂を見あげると共に、山麓を見下すのにある、それが、ブン廻しのように刻々変化してゆくのを、互い違いに併せ視られるところにある。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
けれども思えばその気持もまた莫迦らしく、こうして互い違いに胸に浮ぶことを打ち消すさまは、ちょうど闇の夜空のネオンでしょうか。
— 岡本かの子 『愛』 青空文庫
これ等は互い違いに執拗く明滅を繰り返すが、その間にいくつもの意味にならない物の形や、不必要に突き詰めて行くあだな考えや、ときどきぱっと眼を空に開かせるほど、光るものを心にさしつける恐迫観念などが忙しく去来して、復一の頭をほどよく疲らして行った。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
それは内股から外股へ踏み運ぶ脚につれて、互い違いに太いズボン口へ向けて削ぎ下った。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
このとき子供はもう橋の上にはいなくなって、荷車の提灯のぼんやりした灯と、自転車の南京玉ほどの灯と、たまにトラックの扇形に開いた灯影が闇の中を互い違いに過ぎて行くだけになりました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
また、照日が出て、次にから傘が出て次に照る日が出て次にから傘が出てという互い違いに追っかけっこの形を繰返してもおります。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
双方の壮士が互い違いに坐っているので互いに肩臂を張って睨み合ったまま、誰も腰を上げ得ずにいる時に、進藤がツカツカと立上って、その首領某の襟首を背後から引掴むと、杯盤の並んだ上を一気に梯子段の処まで引摺って来て、向う向きに突き落した。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫