焙炉
ほいろ
名詞
標準
drier
文例 · 用例
十六の三「僕には夫程信用される資格がなささうだ」と苦笑しながら答へたが、頭の中は焙炉の如く火照つてゐた。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫
」と思うとそれは母が焙炉の茶をかえしている音でした。
— 上村松園 『わが母を語る』 青空文庫
「僕にはそれ程信用される資格がなさそうだ」と苦笑しながら答えたが、頭の中は焙炉の如く火照っていた。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫
「黄檗を出れば日本の茶摘みかな」茶摘みの盛季はとく過ぎたれど、風は時々|焙炉の香を送りて、ここそこに二番茶を摘む女の影も見ゆなり。
— 徳冨蘆花 『不如帰 小説』 青空文庫
おくみは何だか目がさえて、急には寝つかれさうにもないので、瞼だけは合はせても、頭の中ではそれからなほいろ/\の取とめもない事を考へつゞけた。
— 鈴木三重吉 『桑の実』 青空文庫
その決意を固めるには時日の餘裕をおいてなほいろいろと考へて見なくてはならず、陰ながら母に長い別れを告げる爲にも一度は歸郷する必要があつた。
— 島木健作 『盲目』 青空文庫
哲學の個々の部門、例へば歴史哲學、社會哲學、藝術哲學、道徳哲學、宗教哲學、等々について、私の乏しい經驗の範圍内でもなほいろいろ注意しておきたいことがあるが、與へられた紙數も盡きたから、ここでひとまづ筆を擱くことにする。
— 三木清 『哲學はどう學んでゆくか』 青空文庫
葉茶屋をしていた私の店には、お茶を乾燥させるための大きなほいろ場があった。
— 上村松園 『母への追慕』 青空文庫
作例 · 標準
早朝に茶畑で丁寧に摘み取られたばかりの茶葉は、すぐさま高温の焙炉にかけられ、熟練の職人の手によって揉まれながら香ばしいお茶へと乾燥・加工されていく。
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見学に訪れた古い日本家屋の薄暗い土間には、かつてこの村で盛んだった養蚕のために使われていたという巨大な焙炉が、埃をかぶって静かに置かれていた。
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湿度の高い雨の日に手漉き和紙を製造する際、湿気を飛ばして綺麗に仕上げるために、昔ながらの竹と和紙で作られた焙炉の中に炭火を入れて慎重に乾燥作業を行う。
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