帚
ははき
名詞
標準
文例 · 用例
まさに、憂ひの玉帚だ。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
いつも力無い咳をして、さうして顏色も惡く、朝起きて部屋の障子にはたきを掛け、帚で塵を掃き出すと、もう、ぐつたりして、あとは、一日一ぱい机の傍で寢たり起きたり何やら蠢動して、夕食をすますと、すぐ自分でさつさと蒲團を敷いて寢てしまふ。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
酒は「憂ひを掃ふ玉帚」といふが、私の場合などでは、全くその玉帚のお蔭でばかり、今日まで生き續けて來たやうなものである。
— 萩原朔太郎 『酒に就いて』 青空文庫
その間に帚で掃くやうな木枯の音が北や西に聞えた。
— 岡本かの子 『上田秋成の晩年』 青空文庫
女婢其の後に續いて、こはいかに、掃帚に跨り、ハツオウと云つて前後して冉々として雲に昇り去つて姿を隱す。
— 泉鏡太郎 『唐模樣』 青空文庫
婢をして帚に燭し炬の如くにして偏く見せしむ。
— 泉鏡太郎 『唐模樣』 青空文庫
須臾して妻はや馬に乘りてゆらりと手綱を掻繰るに、帚は燃したり、婢の乘るべきものなし。
— 泉鏡太郎 『唐模樣』 青空文庫
片手には今手拭を取った次手に取った帚をもう持っている。
— 幸田露伴 『貧乏』 青空文庫