悪々しい
おうしい
形容詞
標準
文例 · 用例
悪々しい皮肉を聞かされて、グッと行きづまって了い、手を拱んだまま暫時は頭も得あげず、涙をほろほろこぼしていたが、「母上さん、それは余りで御座います」とようように一言、母は何所までも上手、「何が余だね、それは此方の文句だよ。
— 国木田独歩 『酒中日記』 青空文庫
「ハテそうしては彼娘が……」ト文三は少しく萎れたが……不図又叔母の悪々しい者面を憶出して、又|憤然となり、「糞ッ止めても止まらぬぞ」ト何時にない断念のよさ。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫
今も今母親の写真を見て文三は日頃|喰付けの感情をおこし覚えずも悄然と萎れ返ッたが、又|悪々しい叔母の者面を憶出して又|熱気となり、拳を握り歯を喰切り、「糞ッ止めて止まらぬぞ」ト独言を言いながら再び将に取旁付に懸らんとすると、二階の上り口で「お飯で御座いますヨ」ト下女の呼ぶ声がする。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫
私は理由もなしに虐待されるのだと思つたときにS先生の悪々しい朝からの容子を思ひ出さずにはゐられませんでした。
— 伊藤野枝 『嘘言と云ふことに就いての追想』 青空文庫
亥太郎は少しも恐れないで「早く打ってお呉んねえ」などと云い、脊中に猪の刺青が刺ってあり、悪々しいからぴしーり/\と打ちます。
— 三遊亭圓朝 『業平文治漂流奇談』 青空文庫