非役
ひやく
名詞
標準
文例 · 用例
出る杙が打たれて済んで御小普請、などと申しまして、小普請入りというのは、つまり非役になったというほどの意味になります。
— 幸田露伴 『幻談』 青空文庫
わるいことには、その雨の日にかぎってまたちょうど勤番で、もちろん事件がその手にあったならば、勤番、非番の区別はないわけでしたが、知らるるとおりこの生首事件はかれの手に委嘱されたものではなかったのでしたから、非役のてまえとして、出仕するの必要がありました。
— 生首の進物 『右門捕物帖』 青空文庫
けれども、たとい非役であったにしても、このぷきみな怪談を耳に入れて、いまさら出仕などゆうちょうなまねが、なぜにしていられましょうぞ!
— 生首の進物 『右門捕物帖』 青空文庫
尤御城内相詰候非役之面々一旦引取に相成候。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
御祝儀非役之面々|無之。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
また今を去ること三十余年、固め番とて非役の徒士に城門の番を命じたることあり。
— 福沢諭吉 『旧藩情』 青空文庫
この時に下士の壮年にして非役なる者(全く非役には非ざれども、藩政の要路に関らざる者なり)数十名、ひそかに相議して、当時執権の家老を害せんとの事を企てたることあり。
— 福沢諭吉 『旧藩情』 青空文庫
儒者は己れを知る者なきを憂い、書生は己れを助くる者なきを憂い、役人は立身の手がかりなきを憂い、町人は商売の繁盛せざるを憂い、廃藩の士族は活計の路なきを憂い、非役の華族は己れを敬する者なきを憂い、朝々暮々憂いありて楽あることなし。
— 福沢諭吉 『学問のすすめ』 青空文庫