飯事
ままごと
名詞頻度ランク #38567 · 青空 66 例
標準
playing house
文例 · 用例
しかしまたチェホフのような人は日常|茶飯事的環境に置かれた人間の行動から人性の真を摘出して見せた。
— 寺田寅彦 『科学と文学』 青空文庫
そういうわけであるから現代の読者にはあまりに平凡な尋常茶飯事でも、半世紀後の好事家には意外な掘り出し物の種を蔵しているかもしれない。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
それで「パリの屋根の下」の観客は、この東京の電車や四つ辻におけると同じような態度で、フランスの都の裏町を漫歩しつつその町の屋根の下に起こりつつあるであろうところの尋常|茶飯事を見物してあるくのである。
— 寺田寅彦 『映画雑感(1)』 青空文庫
どんな御身分の方が、お慰みに、お飯事をなさるんでも、それでは御不自由、これを持って行って差上げな、とそう言いましてね。
— ――其一幕―― 『錦染滝白糸』 青空文庫
しかし、如何なる愛情といえども、その様な彼女を傷つける様な表現の仕方を妥当とはしないから、その時ぼくが出来得ることは、その様な行為の醜さや重大性から眼をそむけて、ただ、彼等がとるに足らぬ日常茶飯事を行っているに過ぎないと思いこんでしまうことより外にはなかった。
— 織田作之助 『ひとりすまう』 青空文庫
しかし、同時に、附近の乞食連中の言に依って、この種の変態的関係は、彼等仲間の通有的茶飯事で、決して珍らしい事ではないと判明したので、係官も苦笑に堪えず……云々……。
— 夢野久作 『いなか、の、じけん』 青空文庫
そのつぎにおのれの近況のそれも些々たる茶飯事を告げる。
— 太宰治 『ロマネスク』 青空文庫
それらの和歌は、床の間の藤の花が、畳に二寸足らずで下つてゐるとか、枕元にある茶碗が、底に少し茶を残してゐるとかいふ風の、思ひ切つて平凡退屈な日常茶飯事を、何等の感激もない平淡無味の語で歌つたものであつた。
— 萩原朔太郎 『病床生活からの一発見』 青空文庫