棟瓦
むながわら
名詞
標準
ridge tile
文例 · 用例
富士駅附近へ来ると極めて稀に棟瓦の一、二枚くらいこぼれ落ちているのが見えた。
— 寺田寅彦 『静岡地震被害見学記』 青空文庫
屋上から見渡すと、なるほど所々に棟瓦の揺り落されたのが指摘された。
— 寺田寅彦 『静岡地震被害見学記』 青空文庫
不思議や鬼火は、大きさも雀の形に紫陽花の色を染めて、ほとほとと軒を伝う雨の雫の音を立てつつ、棟瓦を伝うと云うので。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
)の棟瓦に雀が形を現しても、この清葉が姿を見せた験が無い。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
白菊の咲く頃、大屋根へ出て、棟瓦をひらりと跨いで、高く、高く、雲の白きが、微に動いて、瑠璃色に澄渡つた空を仰ぐ時は、あの、夕立の夜を思出す……そして、美しく清らかな母の懷にある幼兒の身にあこがれた。
— 泉鏡太郎 『霰ふる』 青空文庫
あれ聞け……寂寞とした一条廓の、棟瓦にも響き転げる、轍の音も留まるばかり、灘の浪を川に寄せて、千里の果も同じ水に、筑前の沖の月影を、白銀の糸で手繰ったように、星に晃めく唄の声。
— 泉鏡花 『歌行燈』 青空文庫
泣かゆるに日は照り暑し湯気立てて蟶を今|釜に煮沸す照る砂に雷管のごと花落す朱欒一木が老いてお庭に棟瓦千石船の朱と碧は正目仰ぎて深き雑草鍋二つ汲水場に伏せて明らけき夏真昼なり我家なりにし白栄に蛇奔る裏堀は水紋の動き光とありつつ我が書斎たりし隠居家は、なほ遺れども、既に久しく鎖しぬ。
— 北原白秋 『夢殿』 青空文庫
白菊の咲く頃、大屋根へ出て、棟瓦をひらりと跨いで、高く、高く、雲の白きが、微に動いて、瑠璃色に澄渡った空を仰ぐ時は、あの、夕立の夜を思出す……そして、美しく清らかな母の懐にある幼児の身にあこがれた。
— 泉鏡花 『霰ふる』 青空文庫
作例 · 標準
先日の大型台風による強風で、古い蔵の屋根から棟瓦が数枚剥がれ落ちてしまった。
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熟練の職人が屋根の頂点に登り、一枚ずつ丁寧に棟瓦を並べて固定していく。
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この由緒あるお寺の棟瓦には、精巧な装飾と共に寺紋が深く彫り込まれている。
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