孤影悄然
こえいしょうぜん
形容詞-たる副詞-と
標準
alone and dejected
文例 · 用例
あの西行のやうな牧水氏が、遠いところから訪ねて來て追ひ歸され、孤影悄然として門を出て行く姿を考へ、名状できない寂しさと、氣のすまない思ひで一杯になつた。
— 萩原朔太郎 『追憶』 青空文庫
私はあるとき試写室でフェデの「女だけの都」をただ一人で孤影悄然として観賞した経験があるがおもしろくもおかしくもなかつた。
— 伊丹万作 『映画の普及力とは』 青空文庫
そこで彼は、苦衷を共に分つ相手もなく、何の反響もなければ、同情もなく、あたかも家なき旅人のように孤影悄然として道の只中に取り残されるのである。
— または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊 『死せる魂』 青空文庫
老僧の孤影悄然|木枯の荒野に落ちたやうに哀れであるが、このあつさりした転向ぶりはカトリックの執拗な信仰できたへたアルメーダには判らないから、インチキ千万な坊主だと思つて拒絶してしまつた。
— ――ヨワン・シローテの殉教―― 『イノチガケ』 青空文庫
何となれば、小説七軒、戯曲一軒の割合にもならぬとすると、戯曲は、全く孤影悄然、話しかける相手もない有様が眼に見えるやうだからだ。
— 岸田國士 『劇壇左右展望』 青空文庫
全く孤影悄然、挨拶一つ言はず、頭をペコリとも下げないから土だらけのゴボウのやうだ。
— 坂口安吾 『金銭無情』 青空文庫
金銭には義理人情はないから、僕の方から頼まないのに靴をみがいたつて、お金をやる必要はないね」「そんな風に人生を理づめに解したんぢや、孤影悄然、首でも吊るのが落ちぢやないか。
— 坂口安吾 『金銭無情』 青空文庫
それゆえそれは常に孤影悄然たる愁ひを相としてゐるのだ。
— ――夢と知性―― 『吹雪物語』 青空文庫
作例 · 標準
試合に敗れた選手は、ロッカールームで孤影悄然としていた。
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彼女は、別れた恋人の後姿を孤影悄然と見送った。
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遠い故郷を思い、彼は一人、孤影悄然と酒を飲んでいた。
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