見間違え
みまちがえ
名詞
標準
文例 · 用例
店の真中に立てられている「波屋書房仮事務所」という大きな標札も、店の三分の二以上を占めている標札屋の商品の見本かと見間違えられそうだった。
— 織田作之助 『神経』 青空文庫
あまりにも強硬に否定するので、警部も心がぐらついて、シンクレア夫人が見間違えたのだと信じそうになった。
— THE MAN WITH THE TWISTED LIP 『唇のねじれた男』 青空文庫
だから屹度彼女は偶然井深君と見間違える程よく似た恰好の男をその知己にもっていたのであろう。
— 渡辺温 『嘘』 青空文庫
」「君は何か見間違えているのだよ。
— 岡本綺堂 『西瓜』 青空文庫
――写真の印象だけでまさか見間違えることもなからうが、若しもあの眼の球が青かつたらどんなに薄気味悪いことだらう!
— 牧野信一 『蔭ひなた』 青空文庫
……でも、それにしても、ふッと写ったこの虚像を、本物と見間違えて谷へ飛び込むなんてただの人間じゃアないですね」「よく判りました。
— 大阪圭吉 『白妖』 青空文庫
その比露子夫人が、仮令多少の距離があったにしろ、そして又、仮令もう一人の百姓の証人――彼はダンスのイロハも知らない素朴な農夫だ――が、そう言っているにしろ、ダンスをし始めるのと、喧嘩をし始めるのとを、見間違えるなんて事は、そのかみダンスでオマンマを食べていた彼女の申立として、断然信じられない話だ。
— 大阪圭吉 『花束の虫』 青空文庫
何故かというに、古市加十が皇帝に見間違えられるわけはまず絶対にないことは、読者諸君がすでに御存知だからである。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫