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石屑

いしくず
名詞
1
標準
文例 · 用例
冥府のくら戸はよみのくら戸はひらかれて恋びとよよといだきよれ、かの天に住む八百星はかたみに目路をなげかはせ、土にかくれし石屑は皆よりあひて玉と凝れ、わが胸こがす恋の息今つく熱きひと息に。
山川登美子・増田雅子・與謝野晶子 恋衣 青空文庫
その男は私を可愛がりながら戦争に殺され、私は敗戦後の日本中あばたゞらけ、コンクリートの破片だの石屑だらけの面白さうな世の中に生き残つて、面白いことの仕放題のあげくに、私の可愛い男は戦争で死んだのさ、と呟いてみることを考へてゐた。
坂口安吾 続戦争と一人の女 青空文庫
製法 磨製石斧の製法は現存石器時代人民の爲す所に由つても知るを得れと、遺跡に於て獲る所の截り掛けの凹み有る石片截り目を存する石斧、刄の鈍きもの刄の鋭きもの、截り取りたる石屑及び砥石に用ゐしと思はるる石器等を比較すれば、正しくコロボックルが磨製石斧を作りたる順序を知るを得るなり。
坪井正五郎 コロボックル風俗考 青空文庫
けれども自分達は石屑や小砂利の混ってある麦焦しの粉を少しばかり椀の中に入れて、それを茶で掻廻して喫べる位のもので、それも腹一ぱい喰べればいいけれども腹八分目とまではいかない。
河口慧海 チベット旅行記 青空文庫
どこへ逃げ、どの穴へ追いつめられ、どこで穴もろとも吹きとばされてしまうのだか、夢のような、けれどもそれはもし生き残ることができたら、その新鮮な再生のために、そして全然予測のつかない新世界、石屑だらけの野原の上の生活のために、伊沢はむしろ好奇心がうずくのだった。
坂口安吾 白痴 青空文庫
ああ戦争、この偉大なる破壊、奇妙|奇天烈な公平さでみんな裁かれ日本中が石屑だらけの野原になり泥人形がバタバタ倒れ、それは虚無のなんという切ない巨大な愛情だろうか。
坂口安吾 白痴 青空文庫
跳び越す場所は左手の壁際にした――裂け目が最も狭く、対岸の着地点を見ても危険な石屑が十分に少なかったからだ――そして逆上した一瞬の後には、恙無く対岸に到達していた。
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 時間からの影 青空文庫
石屑が山を成し、それをよじ登って、懐中電灯の光では壁も穹窿も照らせない程広大な開けた空間を通り過ぎた。
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 時間からの影 青空文庫