畏
かしこ異読 かしく
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標準
yours sincerely
文例 · 用例
若くは、「俺をやつぱり畏れてゐるな」。
— 中原中也 『心理的と個性的』 青空文庫
私は人の富や名声に対しては嘗つて畏敬の念を抱いた事は無いが、どういうわけか武術の達人に対してだけは、非常に緊張するのである。
— 太宰治 『佳日』 青空文庫
彼が這入つた時、教師達は誰も話をしてはゐなかつたが、それと知ると其処にゐた全部の者は一斉に、不馴れな人間に対する心意気のない、畏敬の表情を作つて差向けてゐた。
— 中原中也 『校長』 青空文庫
「佛蘭西文學の旺盛時代たる路易第十四世の朝に於て、突如として一世の耳目を聳動し來れる一書あり、其の簡淨痛快にして靈犀奇警なる人世批評は、天下驚畏の中心となれり、本書是れ也。
— 太宰治 『ラロシフコー』 青空文庫
翌くる日は穂高岳に上るつもりで、朝|夙く起きた、宿の女が「飯が出来やしたから、囲炉裏の傍でやって下せえ、いけましねえか」と、畏る畏る閾越しに伺いに来る、いいとも、と返辞して大囲炉裏の前に、蝋燭を立て、猟士や宿の人たちと、車座になって飯を済ます、準備も整って出かけると、雨になった。
— 小島烏水 『梓川の上流』 青空文庫
地を相するというのは畢竟自然の威力を畏れ、その命令に逆らわないようにするための用意である。
— 寺田寅彦 『颱風雑俎』 青空文庫
震動の筋肉感や、耳に聞こゆる破壊的の音響や、眼に見える物体の動揺転落する光景などが最も直接なもので、これには不可抗的な自然の威力に対する本能的な畏怖が結合されている。
— 寺田寅彦 『地震雑感』 青空文庫
そこで交換局では畏って早速接続すると女皇陛下は御満足で、ものの小半時間もゆるゆる後対話があった。
— 寺田寅彦 『話の種』 青空文庫
作例 · 標準
「寒暖定まらぬ折、どうぞ皆様ご自愛くださいませ。かしこ」
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亡き祖母が遺した古い手紙は、どれも美しい筆致の「かしこ」で結ばれており、当時の奥ゆかしさを感じさせる。
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義母への礼状を書き終え、最後に一筆「かしこ」と添えてから丁寧に封筒を閉じた。
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