押し遣る
おしやる
動詞
標準
文例 · 用例
兜に捲いて勝負せよとの願なり」とかの袖を押し遣る如く前に出す。
— 夏目漱石 『薤露行』 青空文庫
この第三の会見は、己が幾度か実現させまいと思って、未来へ押し遣るようにしていたのであったが、とうとう実現させてしまったのである。
— 森鴎外 『青年』 青空文庫
最後の努力をして波を凌いで、死骸のやうになつた男の体を前へ押し遣るやうにして、泳いでゐる。
— SANKT NIKOLAUS BEI DEN SCHIFFERN 『聖ニコラウスの夜』 青空文庫
これはわざわざ貴嬢に差上げるつもりで近頃新製の珍らしい半襟を択んだのです、どうぞ御受納下さい」と手を出してお登和嬢の方へ押し遣る。
— 春の巻 『食道楽』 青空文庫
ここの取りはからいは万事愚庵が致しますから、さアさアお先へお先へ」と宗匠は若殿を押し遣る様にした。
— 江見水蔭 『悪因縁の怨』 青空文庫