蟄息
ちっそく
名詞
標準
文例 · 用例
昨夜の雨に甲板は流るるばかり濡れたれば、乗客の多分は室内に籠りたりしが、やがて日光の雲間を漏れて、今は名残無く乾きたるにぞ、蟄息したりし乗客|等は、先を争いて甲板に顕れたる。
— 泉鏡花 『取舵』 青空文庫
下宿料が安いからかかる不景気なところにしばらく――じゃない、つまり在英中は始終蟄息しているのだ。
— 夏目漱石 『倫敦消息』 青空文庫
自分は昨年の震災當時まで足かけ五年間、建長寺内の山の上の寺の暗い部屋で、蟄息的な生活を續けて來た。
— 葛西善藏 『湖畔手記』 青空文庫