神薬
しんやく
名詞
標準
文例 · 用例
この神薬を売っている店は、この地方にたった一軒あるきりで、そうして、その店は自分の家と五里もはなれていた。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
それに、その神薬は破れた古太鼓の皮で作ったものだという。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
光起の亡き父も、義庵と称して聞えた典薬頭、今も残っている門内|左手の方の柳の下なる、この辺に珍しい掘井戸の水は自然の神薬、大概の病はこれを汲めばと謂い伝えて、折々は竹筒、瓶、徳利を持参で集るほどで。
— 泉鏡花 『三枚続』 青空文庫
遠く、山にとっては外国のようなひびきを持つ、花の都のお江戸からさえも、といっても、月にふたりか三人の逗留客があるにすぎないが、それでも、上って来る者のあるのに不思議はないので、じつはこの猿の湯は、さながら神薬と言っていい霊験を有っているのだ。
— 林不忘 『煩悩秘文書』 青空文庫
神薬か魔薬か、どっちであるか知らない。
— 海野十三 『地球盗難』 青空文庫
神薬の話 終戦後、私が非常に恩恵に浴して有難いと思っているのは、DDTとペニシリン及びその一族の青カビ薬である。
— 坂口安吾 『明日は天気になれ』 青空文庫
しかるに、どうだ、この神薬現れるや、歯の痛みのかたわらに、チョイと淋病でも肺炎でもツツガ虫でも治してしまうじゃないか。
— 坂口安吾 『明日は天気になれ』 青空文庫
うちのロービョーがちょいと正体不明の病気でヨチヨチしているから、お前ンとこの神薬を一服やってみたいと思うが」「なんだい、ロービョウーってのは?
— 坂口安吾 『明日は天気になれ』 青空文庫