瓦版
かわらばん
名詞
標準
文例 · 用例
問題の白い浴衣も寒空にむかっては姿をあらわさないとみえて、その方の噂はだんだんに消えて行ったが、喜平らによって新らしく生み出された大入道と九尾の狐の噂は容易に消滅しないばかりか、それを瓦版にして売りあるく者さえ出来たので、八丁堀同心らももう棄てておかれなくなった。
— 柳原堤の女 『半七捕物帳』 青空文庫
御存知かも知れませんが、瓦版まで出ましたからね」 諸人が毎日寄りあつまる髪結床の亭主だけに、甚五郎は清水山の出来事については何から何までくわしく知っていた。
— 柳原堤の女 『半七捕物帳』 青空文庫
蠣殻町の有馬の屋敷の火の見|櫓には、一種の怪物が棲んでいたのを火の番の者に生け捕られ、それが瓦版の読売の材料となって、結局は有馬の猫騒動などという飛んでもない怪談を作りあげてしまった。
— 歩兵の髪切り 『半七捕物帳』 青空文庫
わたくしは四谷の知りびとをたずねる途中、麹|町三丁目へまわって、例の助惣焼の店で手土産を買っていると、そこへ瓦版の読売が来ました。
— 吉良の脇指 『半七捕物帳』 青空文庫
それにしても、女が往来で兄のかたきを討ったと云うので、その当座は大評判、瓦版の読売にもなったのです。
— 吉良の脇指 『半七捕物帳』 青空文庫
こんにちの号外と同じことで、瓦版はずいぶん売れました。
— 吉良の脇指 『半七捕物帳』 青空文庫
今もその瓦版の読売が面白そうに呼びながら、助惣の店の前を通りかかると、ひとりの若い男が駈けて来て、引ったくるように一枚の瓦版を買って、往来のまん中に突っ立ったままで、一心不乱に読んでいる。
— 吉良の脇指 『半七捕物帳』 青空文庫
直七には連れがある、それは熱心に瓦版を読んでいた若い男でした。
— 吉良の脇指 『半七捕物帳』 青空文庫
ウィキペディア
瓦版(かわらばん)とは、江戸時代に普及していた、時事性・速報性の高いニュースを扱った印刷物。
出典: 瓦版 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0