初旅
はつたび
名詞
標準
first trip of the year
文例 · 用例
室津の宿屋の主人はかなりのお婆さんであったが、われわれ二人の中学生の初旅を珍しがって大変にもてなしてくれた上に「珍しいものを見せて上げよう」と云って持出して来たのが一巻の絵巻物であった。
— 寺田寅彦 『初旅』 青空文庫
私は芝居で見る黙阿弥作の「蔦紅葉宇都谷峠」のあの文弥殺しの場面を憶い起して、婚約中の男女の初旅にしては主人はあまりに甘くない舞台を選んだものだと私は少し脅えながら主人のあとについて行った。
— 岡本かの子 『東海道五十三次』 青空文庫
一つにはまだ年が行かない一人子の初旅であったせいもあろうが、また一つには、わが家があまりに近くてどうでも帰ろうと思えばいつでも帰られるという可能性があるのに、そうかと云って予定の期日以前に帰るのはきまりが悪いという「煩悶」があったためらしい。
— 寺田寅彦 『海水浴』 青空文庫
叔母はさすがに女二人だけの外地の初旅に神経を配って、あらゆる手蔓を手頼って、この地の官民への紹介状を貰って来て私に与えた。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
それにつけてもあれも初旅、なりばかり大きくてもまだほんの子供ゆえ、諸事よろしくたのみますぞ。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
けれども、わしは国元を出る時、あなたの親御の丹後どのから、丹三郎儀はまだほんの子供、しかも初旅の事ゆえ、諸事よろしくたのむと言われました。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
春なれば街の少女が華やぎに、君も交りて美しう、恋の祈誓の初旅や笈摺すがた鈴ふりて、大野のみなみ、菜の花の黄金海透く筑紫みち列もあえかのいろどりに御詠歌流し麗うらと練りも続く日、軟かぜに絵日傘あぐる若菜摘、法師、馬上の騎士たちも照りつ乱れつ菅笠に蝶も縺るる暖かさ。
— 北原白秋 『第二邪宗門』 青空文庫
」「博多までは知っていますが、それから先は初旅です。
— 岡本綺堂 『怪獣』 青空文庫
作例 · 標準
新しい一年、初旅として祖父母の家を訪ねた。
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春の陽気の中、計画していた初旅に出発した。
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初旅では、思わぬ出会いや発見があり、旅はいつも新しい驚きに満ちている。
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