藍草
らんそう
名詞
標準
文例 · 用例
今述べた人造の藍、人造の樟脳などはその例であるが、藍の草を培養せずして真の藍を造り、樟樹のないところで真の樟脳を造りうるようになったのであるから、従来藍草や樟樹を特産物としていた国には急に強敵が現われたわけで、経済上いちじるしい打撃をこうむることになる。
— 丘浅次郎 『民族の発展と理科』 青空文庫
盛に藍草を植えて、それを藍玉に作ったのは徳島市から程遠くない村々で、今も訪ねますと、それは見事な蔵造の仕事場が見られます。
— 柳宗悦 『手仕事の日本』 青空文庫
十四 藍草の汁をしぼったように、水っぽい夕闇が四囲をこめてきた。
— 吉川英治 『親鸞』 青空文庫
したがお内儀様、こんどもやはり善光寺へお詣りのお帰りでいらっしゃいますか」「ええ、それが実は、小諸のほうの取引先に、ちと藍草の掛けがたまりましたので、信心やら商用やら」「おお、それじゃたいそうな廻り道で……きょうはあの和田峠をお越えなさりましたな。
— 木曾の巻 『鳴門秘帖』 青空文庫
それは、かなり間がありましたゆえ、わたしどもは怖い一心で、麓へつくとすぐに駕へ乗ってまいりましたが、気味の悪い侍たちは、それから先まで執念ぶかく駈けてきたそうでございます」「ま、なんという図々しい奴」「藍草の掛けを取ってまいりましたので、その金に目をつけられたかと存じます」「そうかも知れませぬ。
— 木曾の巻 『鳴門秘帖』 青空文庫