打撒
うちまき
名詞
標準
文例 · 用例
気にしたら、どうして、突然ポンプでも打撒けたいくらいな処だ。
— 泉鏡花 『吉原新話』 青空文庫
……戸外をどッどと吹く風の中へ、この声を打撒けたら、あのピイピイ笛ぐらいに纏まろうというもんです。
— 泉鏡花 『歌行燈』 青空文庫
然うかと思ふと、遠い国から鐘の音が響いて来るか、とも聞取られて、何となく其処等ががや/\し出す……雑多な声を袋に入れて、虚空から沼の上へ、口を弛めて、わや/\と打撒けたやうに思ふと、『血を洗へ、』『洗へ』『人間の血を洗へ。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
」 とまで打撒けるものは有っても、勝気|気嵩の左褄、投遣りの酒機嫌。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
座敷へ入つて、惜気なく真鍮の火鉢へ打撒けると、横に肱掛窓めいた低い障子が二枚、……其の紙の破から一文字に吹いた風に、又|※としたのが鮮麗な朱鷺色を染めた、あゝ、秋が深いと、火の気勢も霜に染む。
— 泉鏡花 『貴婦人』 青空文庫
」八郎が立処に、「いけなけりゃ、バケツに水を汲んで置いて打撒くよ。
— 泉鏡花 『卵塔場の天女』 青空文庫
ザツと打撒くやうに降そゝぐ雨の音がした。
— 田山録弥 『島の唄』 青空文庫
囚徒等は入り代り立ち代り、向ふの沙丘から二人して畚を担いで来ては、沙を打撒けて行つた。
— 小寺菊子 『河原の対面』 青空文庫