燵
燵
名詞
標準
文例 · 用例
炬燵の火もいとよし、酒もあたゝめんばかりなるを。
— 樋口一葉 『軒もる月』 青空文庫
そのうち子供は、炬燵にもぐり込んで転寝をしている。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
しかるにその同じ家郷を、ひとえに時間の所在に求めて、追懐のノスタルジアに耽った蕪村は、いつも冬の炬燵にもぐり込んで、炭団法師と共に丸くなって暮していた。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
芭蕉は「漂泊の詩人」であったが、蕪村は「炉辺の詩人」であり、殆んど生涯を家に籠って、炬燵に転寝をして暮していた。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
それは「炬燵の詩人」であり、「炉辺の詩人」であったところの、俳人蕪村の風貌を表象している。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
私は炬燵にあたつてゐました彼女は畳に坐つてゐました冬の日の、珍しくよい天気の午前私の室には、陽がいつぱいでした彼女が頸かしげると彼女の耳朶 陽に透きました。
— 中原中也 『山羊の歌』 青空文庫
それは登別の温泉宿の一室で、燃えるような、緋の布団のかかった炬燵の中であった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
その日、夕飯をすませてから、私たちは次兄に誘はれて彼の部屋へ行き、三人して火燵にはひりながらトランプをして遊んだ。
— 太宰治 『思ひ出』 青空文庫