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見せ掛ける

みせかける
動詞
1
標準
文例 · 用例
無論、犯人が實際は金庫から何かを窃み出しながら、内部にちつとも手を觸れなかつたやうに見せ掛けることも容易ではありますがね‥‥」 と、熱心に詞をつづけて、グスタフソンはそこでちよつと一息入れながら、「それから金庫の扉が明けつ放しになつてゐたのは注意すべき事實です。
――スウェーデンの殺人鬼―― 死の接吻 青空文庫
……子供達は事實としては、往古の如く死せる親の財産を捨てはせぬが、形式としては一切の財産を捨てて、全く貧乏の状態に在る樣に見せ掛ける爲に、さてこそ成るべく製作に手間のかからぬ粗末な衣類を着け、成るべく費用の嵩まぬ飮食をとるのである。
桑原隲藏 支那の孝道殊に法律上より觀たる支那の孝道 青空文庫
かるがゆゑに、政治家の苦心は、どうしたら手段が正しく見えるだらうと工夫することであつて、所謂る策士といふ奴は、目的は兎も角も手段を正しく見せ掛けるやうに仕組むのが巧みである。
鳥谷部春汀 明治人物月旦(抄) 青空文庫
特にヘッケルの如きは経験に依つて獲た確実な知識を多く並べ、それより何時とはなしに懐手式推理法に移つて読者を釣り入れるのであるから、恰も実物を前の方に置き、見物人に知れぬ様に絵画と繋ぎ合せて、遠方の景色までも巧に実物の如くに見せ掛けるパノラマと同様で、芸術としては中々面白いものである。
丘浅次郎 芸術としての哲学 青空文庫
自分の道楽からわが銅像をわが家の庭に立てる位の事なら差支えないがその男の遣方はそれとなく生徒の父兄を説いて金を出させ地方の新聞記者を籠絡して輿論を作り自分は泰然としているように見せ掛けるのだから困ります。
永井荷風 雨瀟瀟 青空文庫
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