府外
ふがい
名詞
標準
文例 · 用例
もしも、権藤四郎五郎左衛門なる長い名のその生駒家新浪人が、いちはやくご府外へ逐電したならば、五街道口のいずれかの隠し屯所へ、まだ市中に潜伏しているならば一町目付けのどこかの隠し場所へ、必ずなんらかの足跡動静を残しておいたであろうと知ったからです。
— 千柿の鍔 『右門捕物帖』 青空文庫
光尚は鉄砲十挺を預けて、「創が根治するように湯治がしたくばいたせ、また府外に別荘地をつかわすから、場所を望め」と言った。
— 森鴎外 『阿部一族』 青空文庫
先年、条約許容の勅書を携えて、幕府外国奉行|山口駿河が老中|松平伯耆を伴い、大坂から汽船を急がせて来たのもこの道だと言い出すのは仏国公使ロセスであった。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
それは御門政府外国事務掛り、東久世少将、伊達伊予守両閣下へとして、次ぎのような手詰めの談判を意味したものであった。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
しかるに、店頭に大人四名と童子二名ありというを聞き、その三回床をうちたるは誤りなりと考えしに、しばらくありて、その一人は府外に出でて店にあらざるを想出し、はじめてその告ぐるところの真なることを知りしという。
— 井上円了 『妖怪玄談』 青空文庫
事實、幕府外交に際して彼らのはたらきは二三百石取の比ではない。
— 徳永直 『光をかかぐる人々』 青空文庫
しかしそれにも拘らず、幕府外交の緊要さはもはや頂點に達しつつあつた。
— 徳永直 『光をかかぐる人々』 青空文庫
こんな御府外からでも、堺町の夜空がぼうっと赤く見える」「ほんに、今ごろは、芝居小屋も蔭間茶屋も、灯の色に染まっている頃だろうて」「よせやい阿能。
— 吉川英治 『大岡越前』 青空文庫