にこやか
にこやか
形容動詞
標準
文例 · 用例
* * * 林の中には、世にも不思議な公園があつて、不気味な程にもにこやかな、女や子供、男達散歩してゐて、僕に分らぬ言語を話し、僕に分らぬ感情を、表情してゐた。
— 亡き児文也の霊に捧ぐ 『在りし日の歌』 青空文庫
どうにでもなれと、一日一ぱいふんぞりかえって寝て居ると、わが身に、慈眼の波ただよい、言葉もなく、にこやかに、所謂えびす顔になって居る場合が多い。
— ――当りまえのことを当りまえに語る。 『もの思う葦』 青空文庫
本当に、私たちも、はじめはひどく面変りをしたと思つてゐたのでございますが、馴れるとでも言ふのでせうか、あのお方がだいいち少しも御自身のお顔にこだはるやうな御様子をなさいませぬし、皆の者にもいつのまにやら以前のままの、にこやかな、なつかしいお顔のやうに見えてまゐりました。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
」「いいのよ、其様してお置きなさいよ、源ちゃん最早お寝み、」と客の少女は床なる九歳ばかりの少年を見て座わり乍ら言って、其のにこやかな顔に笑味を湛えた。
— 国木田独歩 『二少女』 青空文庫
そうして、この重大閣議を終ってから床屋で散髪している○相のどこかいつもより明るい横顔と、自宅へ帰って落着いて茶をのんでいる特別にこやかな△相の顔とが並んで頼もし気に写し出されている。
— 寺田寅彦 『初冬の日記から』 青空文庫
(さっさと為事にかかり、卓の上を片付けつつ、にこやかに。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『家常茶飯』 青空文庫
時々来て見なされ」 老師は、にこやかに言つて小僧に茶を運ばせた。
— 岡本かの子 『老主の一時期』 青空文庫
」 にこやかなものです。
— 岡本かの子 『雪の日』 青空文庫