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折も折

おりもおり
表現
1
標準
at that very moment
文例 · 用例
與一  折も折とて高野の聖が、こゝへお立寄りなされたので、にはかに出家の思召、まことに夢のやうに思はれまする。
岡本綺堂 佐々木高綱 青空文庫
他生の縁あってここに集い、折も折、写真にうつされ、背負って生れた宿命にあやつられながら、しかも、おのれの運命開拓の手段を、あれこれと考えて歩いている。
――当りまえのことを当りまえに語る。 もの思う葦 青空文庫
くどく言うようだけれども、十両持っているのさえ、わしは心苦しく、世の中がいやになっていた折も折、さらに一両を押しつけられるとは、天道さまにも見放されたか、わしの武運もこれまで、腹かき切ってもこの恥は雪がなければならぬ。
太宰治 新釈諸国噺 青空文庫
子育ての慈愛をなさいます、五月帯のわけを聞きまして、時も時、折も折ですし、……観音様。
泉鏡花 神鷺之巻 青空文庫
折も折、其處へ小生の郷里から父危篤の電報が來て九州の日向まで歸らねばならぬことになつた。
貧乏首尾無し 樹木とその葉 青空文庫
丁度主人は不在だつたので彼等は細君を對手に手酷く談判に及んだ折も折、今度はまた米屋の手代が、これも同じく、もう如何しても待つてはあげられませぬと酒屋が催促して居る眞最中に澁り切つてやつて來た。
若山牧水 一家 青空文庫
折も折、いまは一年中落葉のころと共に私の最も好む若葉の季節で、峰から渓間、渓間から野原にかけて茂っているであろう樹木たち、その間に啼きかわして遊んでいるであろういろいろの鳥たちのことを考えると、しみじみ胸の底が痛んで来る。
若山牧水 みなかみ紀行 青空文庫
その頃『早稲田文学』を根城として専ら新劇の鼓吹に腐心していた逍遥は頻りに二葉亭の再起を促がしつつあったが、折も折、時なる哉、二葉亭はこの一家の葛藤の善後処分を逍遥に謀った結果、終に再び筆を操るべく余儀なくされたのがツルゲーネフの『アーシャ』即ち『片恋』の飜訳であった。
内田魯庵 二葉亭四迷の一生 青空文庫
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