寝物
ねもの
名詞
標準
文例 · 用例
例へば芭蕉の句で「物言へば脣寒し秋の風」蕪村の句で「負けまじき角力を寝物語かな」の類。
— 萩原朔太郎 『詩の翻訳について』 青空文庫
そして、三上は、西沢の室の前に、腹ばいになって、西沢の寝物語をすっかり聞いたりなどするのであった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
そして寝物語に、ねえさんのほんとの恋人の話でも聞こうよ」といって、さびしく気の毒そうに小倉は笑った。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
客人は、その朦朧とした頂に立って、境は接しても、美濃近江、人情も風俗も皆違う寝物語の里の祭礼を、此処で見るかと思われた、と申します。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
寝物語や、美濃、近江。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
其の実、矢叫の如き流の音も、春雨の密語ぞ、と聞く、温泉の煙りの暖い、山国ながら紫の霞の立籠る閨を、菫に満ちた池と見る、鴛鴦の衾の寝物語りに――主従は三世、親子は一世、夫婦は二世の契と聞く……『全く未来でも添へるのでせうか。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
これからお雪、良助、寝物語という、物凄い事に相成りまする。
— 泉鏡花 『湯女の魂』 青空文庫
とりわけあの晩の哀蚊の御寝物語は、不思議と私には忘れることができないのでございます。
— 太宰治 『葉』 青空文庫