男車
おとこぐるま
名詞
標準
文例 · 用例
男車掌は知らん顔をして切符の数を読んでいた。
— 寺田寅彦 『破片』 青空文庫
程経て、隣りの家の前に男車らしいものの駐まる音がした。
— 堀辰雄 『姨捨』 青空文庫
一条へさしかかると、その途中に、物見にでも出掛けるらしい一台の立派な男車が何かを待ちでもしているように駐まっていた。
— 堀辰雄 『姨捨』 青空文庫
女が簾を深く下ろさせたまま、その前を遠慮がちに通り過ぎて往ってから、暫くして気がつくと、さっきの男車らしいものが跡から見え隠れしながら附いて来ていた。
— 堀辰雄 『姨捨』 青空文庫
女はそれを気にするように、すこし車を早めながら、太秦まで往き著いて寺にはいってしまうと、いつかもうその男車は見えなくなっていた。
— 堀辰雄 『姨捨』 青空文庫
しかし、寺に数日|籠って、父の無事を一心になって祈っている間も、どうかすると女にはあの立派な男車がおもかげに立って来てならなかった。
— 堀辰雄 『姨捨』 青空文庫