有り金
ありがね
名詞
標準
money on hand
文例 · 用例
されども尽くる時には尽き易き金銀にて、光りを磨きし餝屋とて日本の長者の名ありしものも、今は百貫目に足らぬ身代となり、是にては中々今までの格式を追ひ難しと急に分別極めて家財を親類に預け、有り金を持つて代々の住所を立退き、大阪の福島に坊主行義の世帯して北に見渡す野山の気色に自ら足れりとしける。
— 幸田露伴 『花のいろ/\』 青空文庫
おんつぁんの予期してゐたやうなことは全く齟齬して、結局九州まで有り金の凡てを費ひ果たしに行つたやうな結果になつた。
— 有島武郎 『骨』 青空文庫
こうして、自分が強盗に殺されたように仕組んだ以上、うかうかしてはいられないので、有り金は勿論、目ぼしい物は一と包みにして弁天堂を逃げ出すことになりました。
— 蝶合戦 『半七捕物帳』 青空文庫
もう旦那と相談するひまも無しに、おとわは目ぼしい品物や有り金をかきあつめて、無理無体に万吉に引き摺られて、心にもない道行をきめたんです。
— 海坊主 『半七捕物帳』 青空文庫
こっちの手遅れで口惜しいことをしてしまった」 熊蔵の報告によると、ゆうべ同町内の伊勢屋という質屋へ浪人風の二人組の押し込みがはいって、例の軍用金を云い立てに有り金を出せと云った。
— 湯屋の二階 『半七捕物帳』 青空文庫
最後の有り金で穴を狙ってみようと云う量見を起すのである。
— 菊池寛 『競馬の一日に就いて』 青空文庫
こうなっちゃ、一|刻も猶予はしていられないから、有り金をさらって逃げるとしよう。
— 菊池寛 『恩讐の彼方に』 青空文庫
お前は有り金を探して下さいよ」というその声は、確かに震えを帯びていた。
— 菊池寛 『恩讐の彼方に』 青空文庫
作例 · 標準
私は毎日有り金について考えている。
有り金という言葉は日本語で重要だ。
彼は有り金の意味を理解している。
この文には有り金が含まれている。