峭立
峭立
名詞
標準
文例 · 用例
男と女との間の離し、そして匡衡は匡衡、定基は定基で、各々|峭立して疎遠になるに終ったことだったろう。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
その本流と可児川の合するところ、急奔し衝突し、抱合し、反撥する余勢は、一旦、一大|鉄城のごとく峭立し突出する黒褐の岩石層の絶壁に殺到し、遮断されて水は水と撃ち、力は力と抗い、波は岩を、岩は波を噛んで、ここに囂々、淙々の音を成しつつ、再び変圧し、転廻し、捲騰し、擾乱する豪快無比の壮観を現出する。
— 北原白秋 『木曾川』 青空文庫
足の下には清水が長く流れているが、屏風のような峭立の岩であるから、下へは容易に手が達かぬ。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
岩は殆ど峭立ったように嶮しいが、所々には足がかりとなるべき突出の瘤があるので、それを力に探りながら徐々と進んだ。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
彼は何とは無しに起き上って、蝋燭を照しつつ四辺を見廻すと、四方の壁は峭立の岩石であるが、所々に瘤のような突出の大岩があって、其岩の奥には更に暗い穴があるらしい。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
」 上と下とて遥かに呼び合っていたが、何を云うにも屏風のような峭立の懸崖幾丈、下では徒爾に瞰上げるばかりで、攀登るべき足代も無いには困った。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
瞰上れば我が頭の上には、高さ幾丈の絶壁が峭立っていて、そこは彼の虎ヶ窟なることを思い当った。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
懸崖峭立して幽邃なるが、こゝとても砂の巖也。
— 大町桂月 『鹿野山』 青空文庫