技巧派
ぎこうは
名詞
標準
文例 · 用例
しかもその芥川君が、生前全く人々に理解されず、誤つて「文人」の名で呼ばれたり、甚だしきは「技巧派」の範疇で論じられたりしたことを考へると、世評のいかに妄誕であり、天才の理解されがたい眞事實を、しみじみと痛感せざるを得ないのである。
— 萩原朔太郎 『芥川龍之介の追憶』 青空文庫
技巧派の絵からは吾人が自然そのものについて教えられ、また啓示される事は甚だ稀であるが、津田君の絵からは自分は常に様々な暗示を受け、新しい事を教えられるのである。
— 寺田寅彦 『津田青楓君の画と南画の芸術的価値』 青空文庫
また技巧派と片づけられる程堕落もして居ないつもりです……。
— 岡本かの子 『鶴は病みき』 青空文庫
一人の水夫があって檣の上から落日の大観を擅まにし得た時、この感激を人に伝え得るよう表現する能力がなかったならば、その人は詩人とはいえない、とある技巧派の文学者はいった。
— 有島武郎 『惜みなく愛は奪う』 青空文庫
新技巧派 新技巧派と言ふ熟字も、あちこちで問題にしてゐるやうだ。
— 田山録弥 『雨の日に』 青空文庫
技巧派と内容派の区別が萠して来てゐるから――。
— 田山録弥 『月明夜々』 青空文庫
従って、屡々自分の頂戴する新理智派と云い、新技巧派と云う名称の如きは、何れも自分にとっては寧ろ迷惑な貼札たるに過ぎない。
— 芥川龍之介 『羅生門の後に』 青空文庫
一度新技巧派と云ふ名が出来ると、その名をどこまでも人に押しかぶせて、それで胡麻をする時は胡麻をするし、退治する時は退治しようとするんですからな。
— 芥川龍之介 『饒舌』 青空文庫