痛惜
つうせき
名詞動詞-サ変動詞-他動詞
標準
deep regret
文例 · 用例
明治大正の歌壇にかけて偉業を殘した、このなつかしい巨匠を失つたことは、個人としての友情以外に、深く痛惜に耐へないことである。
— 萩原朔太郎 『追憶』 青空文庫
私としても非常に残念で痛惜やる方ないが、文壇としても残念であろう。
— 織田作之助 『武田麟太郎追悼』 青空文庫
其時代に於ける所謂美文学なるものを観察するに至りては、吾人更に其の甚しきを見る、人間の生命の根本を愚弄すること彼等の如くなるは、吾人の常に痛惜する処なり。
— 北村透谷 『内部生命論』 青空文庫
貧即幸福と云っては矯激になるが、貧を厭うの念をさえ忘るれば即座に幸福であり得るものを、厭貧の念に駆られて悶々戚々の境を現じて居る者の甚だ多いのは、その人の為に痛惜に堪えぬことである。
— 幸田露伴 『貧富幸不幸』 青空文庫
間もなく紅葉の訃は伝わって、世を挙ってこの比い少ない天才の逝くを痛惜したが、訃を聞くと直ぐ、私は弔問して亡友の遺骸に訣別を告げた。
— ――尾崎紅葉―― 『硯友社の勃興と道程』 青空文庫
美妙がもし裸蝴蝶時代に早世したなら必ず一代の大天才なるかのように天下を挙げて痛惜哀悼を惜まなかったろう。
— 内田魯庵 『美妙斎美妙』 青空文庫
権門富貴の最後の儀式を飾る金冠|繍服の行列こそ見えなかったが、皆故人を尊敬し感嘆して心から慟哭し痛惜する友人門生のみであった。
— 内田魯庵 『二葉亭四迷の一生』 青空文庫
内田博士の敏感7・22(夕) 茶話子の敬愛する文学博士内田銀蔵氏が胃潰瘍で危篤を伝へられるのは、学界のために痛惜に堪へない次第である。
— 大正八(一九一九)年 『茶話』 青空文庫