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燕尾

えんび
名詞
1
標準
文例 · 用例
――したがって日本人に最も接近させられる――であるけれども、彼等の極端なるジャズバンドの音楽でさえ、日本俗謡の八木節や安来節の類に比し、尚|遙かに貴族感的で、どこかに*シルクハットや燕尾服を着たところの、儀礼正しき紳士道を聯想させる。
萩原朔太郎 詩の原理 青空文庫
今まであの店の部屋の古風な装飾なり、また燕尾服を着たボーイなりが、すべて前の世紀の残りものであったのが、火事で焼けたこの機会に、一足飛びに現代式に変ってしまったのだというような気がした。
寺田寅彦 雑記(2) 青空文庫
燕尾服をつけた給仕が、銀盆に一枚の名刺を置いて、ものものしく妾達の卓子の前で、黒い尾を折りました。
吉行エイスケ バルザックの寝巻姿 青空文庫
やがて、燕尾服を着た仁丹の鬚のある太夫が、お客に彼女のあらましの來歴を告げて、それから、ケルリ、ケルリ、と檻に向つて二聲叫び、右手のむちを小粹に振つた。
太宰治 逆行 青空文庫
やがて、燕尾服を着た仁丹の鬚のある太夫が、お客に彼女のあらましの来歴を告げて、それから、ケルリ、ケルリ、と檻に向って二声叫び、右手のむちを小粋に振った。
太宰治 逆行 青空文庫
祖父は勿論、早朝から燕尾服を着て姿を消したのである。
太宰治 ろまん燈籠 青空文庫
紺三郎なんかまるで立派な燕尾服を着て水仙の花を胸につけてまっ白なはんけちでしきりにその尖ったお口を拭いてゐるのです。
宮沢賢治 雪渡り 青空文庫
燕尾服もあれば厚い粗羅紗を着た農夫もあり、綬をかけた人もあれば、スラッと瘠せた若い軍医もありました。
宮沢賢治 ビジテリアン大祭 青空文庫