霓裳
げいしょう
名詞
標準
文例 · 用例
なか/\に時のはやりに染まぬ服裝の、却つて鶯帶蝉羅にして、霓裳羽衣の風情をなせる、そこの農家の姉娘の、里の伯母前を訪ふなりしを。
— 泉鏡太郎 『婦人十一題』 青空文庫
高く跳ね輕く躍れば面影の、 霓裳羽衣を舞ひをさめ。
— 北村透谷 『北村透谷詩集』 青空文庫
憐む可き天女の真摯なる物語は、遂に頑固なる漁夫の心を和げ、天女再び羽衣を得て、霓裳羽衣の舞をなして昇天す。
— 高木敏雄 『比較神話学』 青空文庫
同じ仙境というても此処は銀髯を垂れた仙人の住む所ではなくして、霓裳羽衣の女仙が徐ろに蓮歩を運ぶ花園と称した方が適当であると想われました。
— 木暮理太郎 『日本アルプスの五仙境』 青空文庫
わけてもこの『ミュゼット』の飛躍的な美しさは、燦々として木の間に降る春の陽光のようでもあり、珠玉の飛泉のほとりに、羽衣霓裳をかかげて踊る天女の群れのようでもある。
— 野村長一 『名曲決定盤』 青空文庫
昼はさほどとも見えない秋草の花々も、顔を粧ってみな霓裳羽衣を舞うかのように戦ぎ立つ。
— 二天の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
深窓の姫君でありながら、この呉妹は、生れつき剛毅で、武芸をこのみ、脂粉霓裳の粧いも凛々として、剣の簪をむすび、腰にはつねに小弓を佩き、その腰元たちもみな薙刀を持って室に侍しているというまことに一風変った女性であった。
— 望蜀の巻 『三国志』 青空文庫