跣足
せんそく
名詞
標準
文例 · 用例
それと見るより美登利の顏は赤う成りて、何のやうの大事にでも逢ひしやうに、胸の動悸の早くうつを、人の見るかと背後の見られて、恐る/\門の侍へ寄れば、信如もふつと振返りて、此れも無言に脇を流るゝ冷汗、跣足になりて逃げ出したき思ひなり。
— 樋口一葉 『たけくらべ』 青空文庫
それと見るより美登利の顏は赤う成りて、何のやうの大事にでも逢ひしやうに、胸の動悸の早くうつを、人の見るかと背後の見られて、恐る/\門の傍へ寄れば、信如もふつと振返りて、此れも無言の脇を流るゝ冷汗、跣足に成りて逃げ出したき思ひなり。
— 樋口一葉 『たけくらべ』 青空文庫
それと見るより美登利の顔は赤う成りて、どのやうの大事にでも逢ひしやうに、胸の動悸の早くうつを、人の見るかと背後の見られて、恐る恐る門の傍へ寄れば、信如もふつと振返りて、これも無言に脇を流るる冷汗、跣足に成りて逃げ出したき思ひなり。
— 樋口一葉 『たけくらべ』 青空文庫
小林と秋山の、どっちも十歳になる二人の男の児が、足袋跣足でかけ出した。
— 葉山嘉樹 『坑夫の子』 青空文庫
それが下駄を片手にぶらさげて跣足で田の畦を逃げ廻るのを、村のアマゾン達が巧妙な戦陣を張ってあらゆる遁げ路を遮断しながらだんだんに十六むさしの罫線のような畦を伝って攻め寄せて行った。
— 寺田寅彦 『五月の唯物観』 青空文庫
家内がつかつかと跣足で下りた。
— 泉鏡花 『二、三羽――十二、三羽』 青空文庫
袂に縋って、牲の鳥の乱れ姿や、羽掻を傷めた袖を悩んで、塒のような戸を潜ると、跣足で下りて、小使、カタリと後を鎖し、「病人が冷くなったい。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
」 ぼんやり戸口に立っていた小使は、その跣足のまま飛んで出た。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫