自恃
じじ
名詞
標準
文例 · 用例
人には自恃があればよい!
— 中原中也 『山羊の歌』 青空文庫
その余はすべてなるまゝだ……自恃だ、自恃だ、自恃だ、自恃だ、ただそれだけが人の行ひを罪としない。
— 中原中也 『山羊の歌』 青空文庫
ちょいと内証で、人に知らせないように遣る、この早業は、しかしながら、礼拝と、愛撫と、謙譲と、しかも自恃をかね、色を沈静にし、目を清澄にして、胸に、一種深き人格を秘したる、珠玉を偲ばせる表顕であった。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
伝統とは、自信の歴史であり、日々の自恃の堆積である。
— 太宰治 『古典竜頭蛇尾』 青空文庫
誤って下層階級に生い立たせられたところから自恃に相応わしい位置にまで自分を取戻すにはカンで攀じ登れる芸術と称するもの以外には彼等は無いと感じた。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
このような浅ましい身と成り果て、自信も自恃も失いつくしたのち、それでもなお世にながらえてこの仕事に従うということは、どう考えても怡しいわけはなかった。
— 中島敦 『李陵』 青空文庫
高橋健三は官報局の局長室に坐している時でも従五位勲何等の局長閣下でなくて一個の処士|自恃庵主人であった。
— 内田魯庵 『二葉亭四迷の一生』 青空文庫
折からあたかも官報局長は更任して、卓落|不覊なる処士高橋自恃庵は去って、晨亭門下の叔孫通たる奥田義人が代ってその椅子に坐した。
— 内田魯庵 『二葉亭四迷の一生』 青空文庫