青黄
せいこう
名詞
標準
文例 · 用例
顏と陰部とを小さなガーゼで被うてある外は、死體にのみ特有な支那の桐油紙のやうに鈍い冷たい青黄色い皮膚が溢れるやうな朝の光線の下に曝されてゐた。
— 有島武郎 『實驗室』 青空文庫
ぎしぎしと音がして、青黄色に膨れた、投機家が、豚を一匹、まるで吸った蛭のように、ずどうんと腰で摺り、欄干に、よれよれの兵児帯をしめつけたのを力綱に縋って、ぶら下がるように楫を取って下りて来る。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
しかし、町へ行った娘は、二年と経たないうちに、今度は青黄色い、へすばった梨のようになって咳をしながら帰って来た。
— 黒島傳治 『浮動する地価』 青空文庫
この中之島には亭々とした三がい松以外には源平染分けの椿、四季咲きの薔薇、黄水仙、青黄ろい春蘭、青木の深紅の実、むらさきの雲のような沈丁花などが、岩の根締めやら芝生との配合のためわたくしたちの朝飯の卓をめぐって、ところまだらに、それ/″\持前の色彩を盛り上げております。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
もっとも小粒で青黄赤などに着色して小さなガラスびんに入れて売っているのがあるが、あれは少し製法がちがうそうである。
— 寺田寅彦 『備忘録』 青空文庫
青黄紅白、正暈倒暈、淺深の紅、唯公が命のまゝ也。
— 泉鏡花 『花間文字』 青空文庫
譬へば青黄赤黒の色も畢竟水の力を得て素を染むるが如し。
— 幸田露伴 『水』 青空文庫
割り口説いて云えば斯様でもあるが、何もそれが一ツ一ツに存在しているのではなく、皆が皆一緒になって、青黄赤白、何の光りともない毒火の※となって迸り出て掩いかかるのであった。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫