芽立つ
めだつ
動詞
標準
文例 · 用例
しかし、彼女は晩春から初夏へかけて蔦の芽立つ頃の朝夕二回の表口の掃除だけは自分でする。
— 岡本かの子 『蔦の門』 青空文庫
それがことしの草木の芽立つと同時に強い力で復活した。
— 寺田寅彦 『自画像』 青空文庫
銀杏、ちょぼりと芽立つ。
— 一九二四年(大正十三年) 『日記』 青空文庫
木々の芽立つ匂いをかぎながら しっとりとした夜を歩きまわって見たいような夜。
— 一九三九年(昭和十四年) 『日記』 青空文庫
サヨがその春の昼、棒鱈やの横丁から現れて、開通したばかりの電車通りを眺め、旺盛に芽立つ雑木林に目をひかれ、やがて再びごみごみした横丁へ辿り入ったときの気持は、一種名状しにくい乱れ心であった。
— 宮本百合子 『朝の風』 青空文庫
去年の落葉の下に湿っている土の匂い、新芽だつ樹液の香りなどが木の間に漂っていて、これが市中であるだけ一層鋭く目をさまされる野外の感覚に浸りながら、ひろ子はゆっくり省線の駅に向って歩いた。
— 宮本百合子 『日々の映り』 青空文庫
芽だつ時にはこの果実の尻が破れて中の芽が出るのであるが、ハスの果実は皮が甚だ硬いから、かくの如く芽だつ事が容易でありません。
— 牧野富太郎 『植物記』 青空文庫