餅菓子
もちがし
名詞
標準
文例 · 用例
」餅菓子店の店にツンと濟ましてる婦人なり。
— 泉鏡花 『神樂坂七不思議』 青空文庫
いや、……その時参詣をしていましたから、気安めにはなりましたものの、実は、ふかし立ての餅菓子と茨蟹で電車などは、些と不謹慎だったのですから。
— 泉鏡花 『菊あわせ』 青空文庫
もう一ツ借込んだ皿にね、帰りがけにそれでも一軒隣の餅菓子屋で、鹿の子と大福を五銭が処買ったんですって、鬼の涙で、こりゃ新造へ御馳走をしたんですとさ。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
先刻餅菓子を買われた時、嬉しそうに莞爾して、酌をする前に、それでも自分で立って、台所の戸障子を閉めて、四辺を見たから、その時は戸袋へ附着いて、色ッぽい新造の目を遣過しておいて、閉めて入ったことを、破れた透間から、ト覗いていた、その裏長屋のかみさんが、堪らなくなったでしょう。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
鼠が攫ったか、それとも長屋うちの腕白がしょこなめたか、五銭が餅菓子一つもなし。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
お店の仕来りで、あの饅頭だの、羊羹だの、餅菓子だのを組合せて、婚礼や、お産の祝儀事に註文さきへお配りなさいます。
— 泉鏡花 『卵塔場の天女』 青空文庫
籐の卓と籠の椅子と、冷した麦茶のコップと鉢の緑の羊羹と鮎の餅菓子。
— 北原白秋 『木曾川』 青空文庫
もっとも、主人は「猫八には酒を出すがよかろう」と言ってくれたけれども、「いいえ、やッぱり、かつぶしの方が」と答えて、主人の細君に餅菓子を供えてもらった。
— 岩野泡鳴 『猫八』 青空文庫