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脂色

やにいろ
名詞
1
標準
文例 · 用例
濃紅色の花を群生させるが、少しはなれた所から見ると臙脂色の団塊の周囲に紫色の雰囲気のようなものが揺曳しかげろうているように見える。
寺田寅彦 雑記帳より(2) 青空文庫
脂色の蝗の吐血が掌についていました。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
それでいて庭の面には黄ろい光線が重圧され、ビール壜を陽に透して覗くように池も中ノ島も築山も、この世のものならず松樹脂色に光り輝いております。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
今戸橋の橋梁の下を通して「隅田川十大橋」中の二つ三つが下流に臙脂色に霞んで見える。
岡本かの子 青空文庫
脂色の着物に緑色の兵児帯をしめ、頬紅をさしていた。
織田作之助 青春の逆説 青空文庫
そして私の指の間からうまく滑りぬけると、小さな脂色の糞を二つ私の掌面にひりつけて、離れ放れにどこかへ飛び去つてしまつた。
薄田泣菫 独楽園 青空文庫
私は脂色の糞を軽く指さきで掌面から弾き飛ばした。
薄田泣菫 独楽園 青空文庫
瞬一つ出来ず、唾液一つ呑み込み得ないままに、その臙脂色の薄ぼけた頬から、青光りする珊瑚色の唇のあたりを凝視していたのであった。
夢野久作 ドグラ・マグラ 青空文庫