騒騒
さわぎさわぎ
名詞
標準
文例 · 用例
スクリュウに捲き上げられ沸騰し飛散する騒騒の迸沫は、海水の黒の中で、鷲のように鮮やかに感ぜられ、ひろい澪は、大きい螺旋がはじけたように、幾重にも細かい柔軟の波線をひろげている。
— 太宰治 『佐渡』 青空文庫
」「まず御坊が、かの徒然草に書かれましたる中に『よろずにいみじくとも、色好まざらん男はいと騒騒しく、玉の巵のそこなき心地ぞすべき』と仰せられました。
— 岡本綺堂 『小坂部姫』 青空文庫
いつも春の来るまでは、来ても例年の通りと思う期待で浮くだけの気持ちも、それがいよいよ桜のころに迫ってみると、思いの他ぱッと浮き騒ぐ鮮やかさに、これでは京都の街の騒騒しさも想像の外であろうと、宿をとるのも怪しまれ矢代は花どきを脱したくなった。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
そんな或る夜ふけのこと、あたりがあまりに騒騒しくなったのでそれまでうとうとと眠っていた彼は思わず目をさました。
— 堀辰雄 『恢復期』 青空文庫
そのたびごとに騒騒しい靴の音ががりがりした。
— 室生犀星 『或る少女の死まで』 青空文庫
しかし私はその騒騒しい中に、一羽の鷺が静かに白い冠毛を立てながら、ゆっくりと歩行しているのに目をとめたときは、かなり落ちつけたのであった。
— 室生犀星 『或る少女の死まで』 青空文庫
それがため、かれは例の忌わしい広告画を押入れにしまって、宿を出ると、いつも騒騒しい楽隊や喧擾や食物や淫逸な巷の裏から裏を這いありく犬のように身すぼらしくぶらつくのであった。
— 室生犀星 『幻影の都市』 青空文庫
かれは昼間も、この騒騒しい公園の池のほとりに置かれたベンチの上に坐っていた。
— 室生犀星 『幻影の都市』 青空文庫